【マーケティング】初心者向けマーケティングのエッセンスをまとめてみた

ドリルを売るには穴を売れ

ドリルを売るには穴を売れ

マーケティングってなんて奥が深くて面白いんだ!
マーケティングを学ぼうと決めてから幾つかのマーケティング本を読んで僕が感じた感想です。
今回は今までに読んできた本の中から僕が重要だと感じたマーケティングのエッセンスを紹介します。

推薦図書

ドリルを売るには穴を売れ

他のサイトでもよく紹介されています。
この本は経営がうまくいっていないあるイタリアンレストランを舞台に主人公が経営を立て直すストーリーに沿ってマーケティングの重要性が紹介されています。
とても読みやすく、マーケティングを学ぼうと考えている人が一番最初に読むべき本だと思います。

 

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

この本はUSJをV字回復させた森岡毅さんの本です。
一つ前の本当は違う切り口からマーケティングについて解説しています。
マーケティングを考える上で非常に重要な考え方「戦略的思考」について非常にわかりやすく解説しています。マーケティングのフレームワークを学んだ後はそれをどう活用するかの思考法を学ぶためにこちらの本を読まれることをお勧めします!

 

マーケティングとは売れる(買われる)仕組みを作ること

マーケティングとは数多くある商品の中から自社の商品・サービスを消費者に選んで買ってもらうようにする全ての活動の事を言います。
別の言い方をすれば「消費者に選ばれて当然の状態を作りあげること」です。

私たちは普段お金を払って何か商品を購入するとき、無意識のうちに他の商品と比較を行いどこで・何を買うのかを決めています。
この消費者の頭の中で起こっている「他社商品との比較」で自分たちの商品を選んでもらえるような仕掛けを作ることがマーケティングの醍醐味と言えます。

マーケティングとは消費者に選ばれる仕組みを作ること https://www.flickr.com/photos/tobiasmayr/16941070747/in/photolist-rP2q7F-5Av7j6-pTezn8-42pBC1-jCa6g7-8GpqZm-3r5MwJ-5PUrHu-5NjBu1-QXLGJr-4s3Y8k-8CweZ8-bxExa8-59CiRy-RZGqBC-rRNhcS-77kbna-QYZVkM-5G2aUE-6Kuisg-Sq3aGU-96qAWw-aGwnLk-fe6ko5-JAzcE8-dE4jri-77oY9L-6kD4Yo-51zvmA-9MDnuf-7nNKhd-77orMo-91WRGQ-5sQqSd-7Tywb7-qdTPMu-4dBsfe-7YBoN-77pfYs-9iq9G8-uPiDP-4WhM7e-eYTjZS-77oYeh-6awgGm-6xdoq9-qrLNYY-298FB1-dr4eXz-6DWwRs

マーケティングとは消費者に選ばれる仕組みを作ること

なぜ消費者はその商品を買うのか

商品が買われる一連の流れを今度は消費者の視点から考えてみましょう。
あなたは腕時計をつけていますか?もしつけていればなぜあなたは数ある腕時計の中からその腕時計を選んだのかを考えてみてください。

簡単に思いつく理由として

  • 安かったから
  • 機能性が優れているから
  • 憧れの人がつけているから
  • デザインが自分の好みと合う

などがあるでしょう。この一つ一つは消費者が腕時計に求めている”価値”と言えます。
つまり、「時間がわかる」ことは当然で、私たちはそれ以外にその腕時計が与えてくる価値を比較して商品を選んでいるです。

この”商品が提供してくれる価値”のことをマーケティングの世界では「ベネフィット」と言います。

もう少し学術的に購買活動を解説すると、
消費者はその商品から得られる価値が支払う対価より大きいと感じるときに商品を購入する
と言われています。

ちなみに、この支払う対価とは単にお金のことだけではなく、購入するまでに消費する時間や手間も含まれています。
商品が売れるためには、企業は消費者が支払う対価よりも高い価値を提供し続けなければなりません。

さらに、消費者は他の商品と比較検討した上で購入を決断するため、自分たちの提供する価値は他の競合商品よりも相対的に高くなければ選ばれて当然の状態を作ることは難しいと言えます。

消費者は商品そのものではなく、商品から得られる価値に対価を支払っている

消費者は商品そのものではなく、商品から得られる価値に対価を支払っている

なぜマーケティングが必要なのか

先ほどの腕時計の例のように、技術が成熟してくると、商品が提供する基本的な価値(時間がわかる)だけではその商品を選ぶ理由にはなりません。
私たちはそれ以外の価値を比較して商品を選ぶようになるからです。

世の中に物が溢れていなかった時代は新しい機能を持った商品を開発する技実力が企業を成長させる鍵でした。
新しい商品を開発すれば、他に選択肢がないので消費者は当然その商品を購入します。

しかし、技術が成熟し物が溢れた時代では消費者は商品を比較検討して購入するようになり、企業は消費者に自分たちの商品を選んでもらう方法を考えるようになりました。
この消費者に選ばれる方法を体系化したものこそがマーケティングという学問なので、今どこの企業でもマーケティングが必要とされるのは、時代の流れの中で必然と言えるでしょう。

 

マーケティングにおける最も重要な4つの要素

では、どのように「選ばれて当然」の状態を作るのか、そのしくみ作りの方法を具体的に見ていきます。

1.商品が提供するベネフィットは何かを定義する

マーケティングにおいて最も重要なのが「ベネフィット」という考えです。これは先ほど簡単に触れましたが、消費者が商品を購入することで得られる価値のことです。

ロレックスの腕時計を購入する人は時間がわかるという価値だけでなく、「高級な雰囲気」「あこがれの商品を買ったという達成感」という価値を一緒に購入しています。
逆にG-Shockの腕時計を買う人は「ファッション性」「汚れや水に強いという機能性」を一緒に買っています。

このように消費者は商品そのものではなく、その商品によって得られる価値に対価を払っています。
企業は自分たちの提供しているベネフィットを認識し、高めることはマーケティングにおいて最も重要なポイントです。

あなたは自分たちが提供している商品のベネフィットを思い浮かべられますか?
もし、思い浮かべることができなけれ一度パソコンを閉じて考える時間をとりましょう。
ひょっとしたらベネフィットが明確化されていないことが、売れない状況を作り出している根源かもしれないのですから。

2.ベネフィトを届けるターゲットを決める

例えばあなたが20代の男性だったとしましょう。
全ての人に向けられて作られた雑誌と、20代男性の興味に焦点を当てて作られて雑誌、あなただったらどちらを購入しますか?
おそらく後者を選ぶ方が多いでしょう。

それは万人向けに作られた雑誌より、自分をターゲットに作られた雑誌の方が自分の興味とマッチすると直感で感じるからです。

人は商品から得られる価値のためにお金を支払います。
しかし、人によって求める価値は異なるため、すべての人に向けて商品を届けることはできません。
そのため、自分たちの提供するベネフィットはそれを求める人に向けて届けなければなりません。なぜなら、そうすることが最も効率的だからです。

よく、ターゲットは20代女性のような言い方をしますが、消費者をある属性で分けてそこから一つの層を選ぶこと自体に意味はありません。
ターゲットを決めるのは自分たちの提供するベネフィットを求めるある同じ欲求を持った消費者層をはっきりさせ、より効率的に商品を売るために行うのです。

3.自社商品が選ばれるための強みを作る

自分たちが提供するベネフィットを決め、それを届けるターゲットも決めた。次に行うのが自社製品の強みを作ることです。

ある消費者層に向けてベネフィットを提供しているのは自分たちだけでなく、競合他社も同じようにターゲットを決めベネフィットを提供しています。
そのため、競合商品と比較された時に自分たちの商品を選んでもらうための強みを作る必要があります。

比較検討する上での3つの軸

自分たち強みを作る時も顧客目線で考えなければなりません。
私たちは何かを購入しようとしたときs3つの軸で商品を比較検討しています。

  • 手軽軸:安い、早い、便利 (吉野家、マクドナルドなど)
  • 商品軸:他を圧倒する商品、サービス(Apple、ベンツ、ロレックス)
  • 密着軸:お客さんの良きパートナー(オーダーメイドサービス、いつものお店)

つまり、企業もまたこの3つの軸の中から強み作らなければなりません。
注意しなければならないのが、この3つの軸は複数を同時に満たすことはできないし、すべきではないということです。

超高級な食材を使った一流の一品(商品軸)を安く早く(手軽軸)提供することはできません。
また、超高級なレストラン(商品軸)がお客さんに気安く声をかけるような雰囲気(密着軸)を醸し出してもいけません。
高級レストランは高級レストランらしいエレガントな雰囲気を出さなければならないからです。

この軸選びはそのまま企業の経営方針に影響を及ぼすほどに大きな選択です。
3つの軸については、また別の記事で詳しく執筆したいと思います。

4.消費者に価値を届ける具体的な戦術 4P

ここまでがマーケティングの戦略です。そしてここから実際にマーケティングを行う具体的な手法についてお話します。

マーケティングの際によく使われるフレームワークの一つに4Pというものがあります。
以下の項目の頭文字をとって4Pと呼ばれています。

  • Product(製品)   :売り物の商品・サービス
  • Price(価格)   :値段・価格体系
  • Promotion(販促):広告などを含む広い意味での売り方です
  • Placement(流通):販路

ここで重要なのはそれぞれの項目をただ決めていくことではなく、これまでに決めてきた「ベネフィット」「ターゲット」「強み」をどのように消費者にわかってもらい、商品・サービスを届けるのかを決めることです。

iPhoneを例にすると、

  • Product(製品)  :持ってるだけでワクワクする、誰でも簡単に使えるスマートフォン
  • Price(価格)    :買った時に達成感を感じるくらいのちょっと背伸びして買う値段
  • Promotion(販促):iPhoneならではの機能と使いやすさを表現したCM
  • Placement(流通):特別感を演出するために基本的にはアップルストアのみでの販売

Appleが素晴らしいのはこれらが全て一貫性を持っていることです。
Appleは極端な例かもしれませんが、4Pは決めることに意味があるのではなく、一貫性を持って消費者に商品の提供するベネフィットを伝えることがポイントなのです。

 

まとめ

マーケティングにおける最も重要な点は「顧客視点」で考えることです。
一つの業界に長くいるとどうしてもサービスを提供する側の視点で物事を見てしまいます。

しかし、実は全ての人が日々買い物をするときにこの「顧客視点」で購買活動を行っています。
マーケティングを学ぼうと思う方は自分が日々お金を使っている時に「なぜこの商品・サービス・お店を選んだのか?」を自問してみてはいかがでしょうか。

なぜなら、その答えの中にこそ、マーケティングの最も重要なエッセンスが隠れているからです。

参考本:
ドリルを売るには穴を売れ

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門