【営業力】若手営業マンが意識すべき営業における2つの法則

私はどうして営業外交に成功したか フランク・ベドガー著

営業部署に配属され、いち早く営業力を身につけ成績をあげたいと考えている若手は多いはず(僕もそのうちの一人です)。いくつもの営業本を読んだ結果、最も学びの多かった「私はどうして営業外交に成功したか」で書かれていた営業の鉄則を紹介する。

この記事を読んでくれた人に少しでも新しい気づきを得てもらえれば嬉しい。


推薦図書
私はどうして販売外交に成功したか
フランク・ベドガー著

よく本屋で売られている「一生使える営業文句」のような表面的なノウハウ本ではなく、営業としての心構えからどのようにして顧客の心を掴み物を売るのか、著者ベドガー氏の過去の体験を元に営業の技法がまとめられている。
とても読みやいので、是非営業に配属された新卒生には読んでほしい。

営業成績=アポ数×成約率×平均受注単価

営業成績はアポ数×成約率×平均受注単価で表せる。つまり、アポ数を増やし、成約率をあげられれば誰でも成約数を増やせ、平均受注単価が上げられさえすれば誰でも営業成績を上げることはできるのだ。
もしあなたが営業成績が上がらないことで悩んでいたら、まずはこの3つの変数のどこにボトルネックがあるのかを分析する必要がある。

 

営業成績を上げたければまずはアポ数を増やすことから

「諸君、結局、この販売の仕事というものは、せんじつめると、たった一つの事柄になる。『できるだけたくさんの人に面会する』という事に尽きる。人並みの能力を持っている人だったら、毎日四、五人の人に会って、熱心に話を持ちかけてみるがいい。ただ、それだけのことできっと成功する。それにもかかわらず、どうしてもうまくいかなかったら僕に言いたまえ」

どの営業本も営業の現場で使える口説き文句、営業としての振る舞い方について言及するが、実は成約数を増やすためにはまずはアポ数を増やすことが重要だとベドガー氏は言っている。

営業本「元キーエンスのトップセールスが教える誰でも売れる「プロセス思考」営業術」でも

案件や商談を決める確率(成約率・商談獲得率)を上げるよりも、案件や商談の数を増やすことを考えた方が、売り上げを伸ばし続けられるということです。

と書いており、アポ数を増やすことが成約数を増やす近道であるという事実は間違いなさそうだ。ある程度商品説明ができるようになった若手営業マンは成約率を増やすための話術を磨くよりもアポを獲得することに注力しよう。

自分の行動を記録する

アポ数を増やす為には、自分がいつ誰に(どの企業に)訪問したかを記録することが大事である。記録することによって、

もっと多くの人を訪問することができるという事実を発見

することもあれば、

仕事にたいする努力がたりなかったということもよくわかってはずかしかった。

と自分の行動を振り返ることもできる。

今はGoogleカレンダーでスケジュール管理している人が多いと思うので、自分の営業成績が伸び悩んだ時は一度自分の営業活動を見直し、十分なアポを入れているかを確認してみるといいだろう。

具体的なスケジュール・目標を立てる

アポ数を増やすためには、ただ「アポを増やすぞ!」と気持ちを入れ替えるだけではなかなか変わらない。具体的に「週15アポを最低ラインとする」と数字に落とし込み、そのためには何件テレアポする必要があるのか割り出す。

アポ数 = 荷電数 × アポ獲得率

で示せるので、自分が何件に1件アポが取れるかがわかれば、電話をかけなければならない数が割り出せる。ここまで来れば、あとはその目標値に対して今週の自分の達成度合いを管理するだけだ。

 

成約率を上げるために意識すべき3のこと

アポ数を増やすことができたら、次に1件あたりの成約率を高める。営業術を紹介する本はたくさんあるので、まずは一冊買って読んでみるといいだろう。

僕もいろんな本を立ち読みしてきたが、営業で成約率を高めるための手法は突き詰めると3つに集約される。

  • 準備するとこ
  • 信用を得ること
  • 質問をすること

一つずつ解説していく。

準備をすること

当然だが、何も考えなしに訪問してもなかなか受注することはできない。まずは訪問先の企業についてできるだけ詳細に調査しなければならない。

当然、調査のためにはある程度の時間を要する。しかも、こうした調査のためにアポ数が減ってはならない。
(つまり、翌週のアポの分析は平日のアポ終わりか、週末にやるしかないということだ。)

 

相手に興味を起こさせる主な点は何か」を考え、書き留めておく

準備をするときに考えるべきは相手が興味を示す点は何かを考えることだ。
競合と比較し安い商材がいいのか、それとも信頼の置ける商材がいいのか、価格は高くても担当者が課せられているミッションが果たされる商材がいいのか。

これらのことを仮説立て、各場合に応じて自分たちの商材が他社と比較し何が違うのかをはっきり伝えられるように準備する。

 

恐怖心を起こさせる

相手が興味を示す点を考える際のヒントを紹介する。人の行動を起こさせる動力は2つの要素しかない。
それは、

  • 利益を得ようとする欲望
  • 損しては困るという恐怖心

この二つだ。この二つのうちどちらかに対して、私はあなたに貢献できるということを示せれば相手はあなたの話を聞いてくれるはずだ。

信用を得る

人は信用の置けない人から物を買わない。本書でも商品を売る前にまずは自分を売り込めと言っている。

人見知りを克服する。見た目に気をつかう。こいったことはそれなりに時間をかけて改善していく必要がある。なので、誰でも簡単に実践できる2つの方法を紹介する。

 

買い手の助手となる

ノルマを達成するためになんとか商品を買ってもらわねばと気持ちが焦り、つい商材の話ばかりしてしまう。このような自分本位の考え方では相手から信用を得ることはできない。

自分が訪問先の会社から給料をもらい、あなたが売ろうとしている商材を取り扱う部署の人間だと想像してほしい。
そして、どのような点で自分が紹介している商材は自社(商談相手の企業)にとってメリットがあるのか、それとも、競合他者と比較しほとんど違いはないのか。
金額、性能で違いがないのだとすれば他に何を気にしなければならないのか。

以上のことを買い手の助手になったつもりでアドバイスをする。

多くの人たちは、売りつけられあることは不愉快を感じるが、自分から買うことは好むものである。

 

競争相手を褒める

「競争相手を積極的にほめることができないとしても、けっして、その悪口を言ってはならない。」どんな場合でもこれは間違いのない法則である。

もし商談中に競合の話が出てきたら、決して競合の悪口を言わずに、なんとか誉め言葉を言うよう努めるべきだ。
人の悪口をいう人に好感を持ちづらいという事実はご理解いただけるだろう。

 

人にものを考えさせる唯一の方法 質問をする

「世の中で、人にあることをさせるようにくどく方法は、たったひとつしかない。それは、その人が何となく自発的にそのことを実行したくなるように、上手に道案内をしてやることである」
〜デール・カーネギー〜

人に何かを納得させるためには、納得してもらえるよう論理的に自分の意見を伝える(ことも重要だが)よりも、相手があたかも自分でその意見を思いついた!」と錯覚させるよう質問によって誘導するほうが有効である。

具体的には顧客に意見を提案をするときには以下のように言ってみてほしい。
「◯◯と思いますが、あなたはどうお考えになりますか」

正しいことを説き伏せるのではなく、自分が説明した終わった後に判断を相手に委ねるのだ。
こうすることで、あたかも相手は自分が考えて◯◯すべきという意見にたどり着いたと錯覚し、自分の提案に同意しやすくなる。

 

まとめ

以上営業で成績を上げるために意識すべき2つの法則について解説してきた。
改めてポイントを整理すると、

ポイント1
若手はまずはアポ数を増やす。
成約率を高めるよりも、アポ数を増やすことが最もインパクトの大きい改善策である。

ポイント2
成約率を上げるために意識すべきは

  • 準備するとこ
  • 信用を得ること
  • 質問をすること

とくに質問をすることに関しては質問力という言葉があるほど、ビジネスでは重要なものと認識されているので、是非一冊本を買って勉強してみることをおすすめする。

参考本:私はどうして販売外交に成功したか