- 自己分析はできてるけど、面接でうまく伝えられない
- 面接で緊張して自己PRが上手くできない
こんな悩みに答える。
- 面接で自分の強みを会社の求める形で説明する方法
- 会社・人事が学生の何を見て採用判断しているか
目次
会社・人事は何を見て学生を判断してるのか
会社・人事が学生の何を見て合否を決めているか本音を話そう。
最近人事の世界で話題になっている採用手法がある。
コンピテンシー採用と呼ばれるものだ。
この採用方法では、会社・人事は学生の以下の項目を見ている。
- 使命感
- 価値観
- 性格
- 態度
- 技能
- 知識
コンピテンシー採用とは
コンピテンシーとは
仕事で高い成果を出す人の行動特性
【使命感・価値観・性格・態度・技能・知識など】
のこと。
会社の中でパフォーマンスの高い社員がどういうマインド、日々の習慣、スタンスで仕事を取り組んでいるのか、その特徴の集合体だと思ってほしい。
もっと具体的に説明しよう。
営業部に配属されてる同期入社の二人の社員。出身大学も同じ。
二人が営業部で出してる成果は
- Aさん:営業トップ。ハイパフォーマー
- Bさん:営業目標をいつも未達。
だっとしよう。
この二人の行動特性を調べたところ
価値観 | 仕事を通じて自分が存在した証拠を社会に残したい。 |
性格 | 負けず嫌い。やるからにはNo1を目指す。指導されるのが嫌いだから自分から学習する |
態度 | 失敗で凹みすぎない。すぐに何クソ精神で気持ちを持ち直す。自信の現れで少し生意気。 |
技能 | 入社当時は目立つ技能はなかったかが、プライベートでも業務に関わる技能磨きを行っている。自分の業務範囲を超えた技能を持っている。 |
知識 | 自分に足りない知識があれば自ら本を購入し学習する。先輩にも意欲的に質問する。 |
Bさん
価値観 | 人の役に立つことがしたい。出世やお金に強い興味はない。 |
性格 | 穏やか。輪を重んじる性格。自分から発言するよりは、周りの意見を尊重し対立する意見の間に入り取り持つことが多い。 |
態度 | 真面目。抜け漏れが少ない。どちらかと指示を待つタイプ。 |
技能 | 入社当時は目立つ技能はなかったかが、仕事を真面目に行うことで技能が身についている。ただし、担当業務範囲の技能のみで、それ以外の技能は乏しい。 |
知識 | 自分から積極的に学習している様子はない。上司から言われた本は読んでいる。 |
この会社の場合BさんよりAさんに近い価値観、性格、態度を持った人の方が成果を残しやすい傾向があると考えられるわけだ。
採用面接ではいろんな質問を通して、学生の使命・価値観・性格・態度などを探り、Aさんに近い特徴(この会社で成果をあげられる人間に共通する特徴)を持った人材を採用しよう、と言うのがコンピテンシー採用と呼ばれる手法だ。
自分の行動特性・価値観を踏まえて自己PRする
面接をしていると良い子なのに残念だな、と感じる学生に共通するのは、自己紹介やガクチカの説明で自分の行動特性・価値観を全く伝えられていないことだ。
面接官は学生がうちの会社で活躍して成果を出してくれる人材なのかを判断している。
その最も大きな判断材料になるのが先ほど解説したコンピテンシーと呼ばれるもので、自社で成果を出している社員の行動特性、価値観に近い人材か否かを見ている。
ただ、その判断材料になる情報が面接の回答からは何一つ出てこないのだ。
もっと言うと、本人も自分の行動特性・価値観を理解していないのだろう。
では、どうすれば自分の行動特性を説明できるのか。簡単なテンプレートを教えよう。
「自分は〇〇な人間・性格です。なのでこれまで◻︎◻︎(ガクチカ)をしてきました。就職先には▽▽(就活軸)を軸として業界・企業を見ていて、御社の××に共感し選考を進ませてもらいました。」
ポイント
- はじめに自分がどういう行動特性・価値観の人間か伝える
- ①に紐づくエピソードを話す(ガクチカ)
- 就活軸は自分の価値観と共鳴できる条件を想像して軸を考える。選定軸が荒い場合は、条件に当てはまる会社が複数あったらそれをどう判断するかを考えて条件をドリルダウンしていく
- 選考を受けてる会社の何に共感し、面接を受けたのか志望動機を簡単に説明する
たとえば僕の場合こんな具合だ。
「僕は自分が存在したから成し得た、自分しかできない仕事で結果を出し、自分が生きた意味を残したいと考えています。ただ、どんな分野に自分が情熱を注げるのかまだわからないのでいろんなことに挑戦してきました。
特に自分がやり切ったと言えることはふたつあります。
1つ目は3年間取り組んでいたNPO活動です。(中略)
2つ目は世界一周です。(中略)
将来は自分で事業を起こしたいので、創業者・役員の近くで働ける会社に努めたいと考えています。業界・業種はなんでも良いと考えています。
会社説明の際に代表の〇〇さんの話を聞いて、この人についていきたいと思い選考へ進ませてもらいました。」
あとは面接官が気になった部分を深堀って質問してくるので任せればいい。
↓こちらはBellface(ベルフェイス)という会社の役員のツイート。
個人的にはとても共感する内容だ。
自分の就活は最初ヘコヘコしてうまくいきませんでしたが、途中から開き直って「自分は人と競い合うことが好きで、だからボクシングやってるし営業やりたいと思ってる。もし調和を重んじるなら採用しないで下さい」と言い始めてからうまくいきましたw
会社によりますがこれくらいで良いかと思います👍— 西山 直樹@bellFace (@nishiyama620) February 26, 2020
自分の行動特性、価値観がわからない場合の発想法
そうは言っても自分の行動特性・価値観なんてわからないよと思う人がほとんどだろう。(正確に言うと、実際には自分の中に答えはあるんだけど、それに気づけないというのが正しい。)
そんな人は自己分析の本を一冊買ってみよう。一人で悩んでも発想するキッカケが掴めないので。
僕もこれまでいくつか就活本、自己啓発本を読んできたけど、その中からおすすめの本を一冊紹介する。
元P&G、USJのCMOを務めた森岡毅さんが書いた「苦しかったときの話をしようか」
自分の大学生の娘さんのために書いた会社選び、社会の仕組み、自分の強みの見つけ方を解説している本でとても読みやすいし、これから社会にでる人には参考になる話ばかりだ。
本を買う余裕がない人は最も簡単な自分の特徴に気付ける質問を投げかけるので、まずはこれを実践してほしい。
自分の好きなことを列挙する
自分の行動特性・価値観、さらに言えば強みなどは自分の好きなことの中に必ずある。
「好きなこと」とは「気持ちがよかったこと」「心が踊ったこと」「興奮したこと」
のような、自分の気持ちがポジティブに動いている瞬間を表す表現に置き換えても良い。
ここでポイントは「バッグが好き」「カラオケが好き」のように【名詞】で考えないこと。
「サッカーでうまくなるために練習するのが好き」「読書するのがすき」のように【動詞】で考える。
さらに、できればどんな文脈でその【動詞】をしているのが好きなのかもセットで考えるとベスト。
- 「サッカーでうまくなるために自主練するのが好き」
- 「人の気持ちを読み解く心理学の本を読むのが好き」
のように文脈があるならそれで考える。
それをポストイットに書き出していく。理想は50個以上、できれば100個以上書き出す。
もしそんなに書き出せなければ、友達や親に「自分が生き生きやっていることは何か?」を聞いてみよう。
他には過去のアルバムや写真を振り返って、これまでの人生で楽しかったとき、心が踊っていたとき、興奮していたときのことを振り返ってみる。
深く考えずに、ここではなるべく多く【動詞】を書き出す。
ポストイットをT・C・Lに分類する
ポストイットに動詞を書き出したら次にこれを分類する。まず、A4の紙の上部分にT・C・L・それ以外と書く。
このT・C・Lの分類は森岡さんが提唱しているどの職能にも重要なビジネスマンとしての基礎能力の分類だ。
T・C・Lは以下のような定義になっている。
T(Thinking) C(Communication) L(Leadership) 【特徴的な動詞】 考えることが好き、問題をとくのが好き、人と議論するのが好き、勉強することが好き、研究することがすき、分析することがすき、知ることが好き、新しいアイデアを思いつくことがすき 【特徴的な動詞】 友達・知り合いが増えることが好き、人と会うことが好き、話すことが好き、話を聞くことが好き、SNSで人と繋がることが好き、パーティーに参加するのが好き、人に人を紹介するのが好き 【特徴的な動詞】 何かを達成することが好き、目標を決めて挑戦することが好き、仕切るのが好き、大きな変化を起こすのが好き、自分で決めることが好き、集団に置いて責任感ある役割を担うことが好き、人に夢を語るのが好き
先ほどポストイットに書いた「好きなこと」をこの3つの近いものに分類する。
「昼寝が好き」「食べるのが好き」のような、3つに当てはまらない物は「それ以外」なので外す。
ポストイットを分類していくと突出する項目が出てくるはずだ。それがあなたの強みの要素になる。
分類した結果は必ずしも1つの系統に突出するわけではなく、2つの系統に突出する人もいれば、稀に3つの系統全てに均等に分布される人もいる。
分布のされ方に良し悪しがあるわけではなく、自分の個性と捉えよう。
2つに分布している人は残り一つが自分の弱点になるので、その領域の職能をさければ良い。
3つに均等に分布している人は強みがないのではなく、全てのことに器用に対応できるという強みになる。稀なケースなので、いろんな能力が求められる職能を突き進むのがキャリアの勝ち筋になる。
3つの分類の詳細については本を読んで欲しいが、分類された結果から自分に向いている職能の筋道は見えてくる。
自分の強みが発揮される職能・職場を選ぶのがキャリアの基本戦略となる。
まとめるので参考にして欲しい。
T(Thinking)の人【強み】 考える力・戦略性が強み 【向いてる職種】 ファイナンス、コンサルタント、研究職、士業、マーケティング、アナリスト、企画系
C(Communication)の人【強み】 伝える力・人と繋がる力が強み 【向いてる職種】 プロデユーサー業、営業職、PR/広報、広告代理店、ジャーナリスト
L(Leadership)の人【強み】 変化を起こす力・人を動かす力が強み 【向いてる職種】 管理職、経営者、起業家、プロジェクトマネージャー、プロデユーサー
好きなことの裏にある行動特性・価値観を探る
ここまでのワークで自分の好きなこと、そこから見える自分の強みがわかってきたはずだ。
最後に、ポストイットに書き出した【動詞】を「好き」と認識する理由を考えよう。
列挙した「好きなこと」がT・C・Lのどれかに偏って分布するということは、そこに自分の行動特性・価値観があるからだ。
正直ここで導き出す行動特性・価値観に正解はない。
「自分はこういう人間なのか?」
「こういう価値観かもしれない」
そのどれもが正解。
唯一ここで意識して欲しいのは自分の腹落ち度だ。
価値観はこれからもどんどん変わっていくし、20年間無意識で好きと認識していた物を言語化して、すぐにそれが「ああそういうことか」となることはなかなかない。
でも、自分はこういう価値観なんだ!と今の段階で言い切れる物を一つ作っておくと、就活面接でオドオドせず自己PRができるようになる。
エイやでもいいので、最後に自分の価値観を導き出そう。
まとめ
この記事で解説した面接がうまくいかない学生の理由は以下3つ。
- 自己紹介・ガクチカでエピソードだけ話してる
- 自分の行動特性・価値観を面接官に伝えられていない
- そもそも自分の行動特性・価値観を理解していない
ビジネスの基礎能力はT・C・Lの3つに分類され、自分の強みにあった職能を選ぶのがキャリアの基礎戦略になる。
T(Thinking)の人
【強み】 |
考える力・戦略性が強み |
【向いてる職種】 |
ファイナンス、コンサルタント、研究職、士業、マーケティング、アナリスト、企画系 |
C(Communication)の人
【強み】 |
伝える力・人と繋がる力が強み |
【向いてる職種】 |
プロデユーサー業、営業職、PR/広報、広告代理店、ジャーナリスト |
L(Leadership)の人
【強み】 |
変化を起こす力・人を動かす力が強み |
【向いてる職種】 |
管理職、経営者、起業家、プロジェクトマネージャー、プロデユーサー |