【徹底解説】世界一周時の住民票について

世界一周をする上で皆さん住民票を抜く(海外転出)かどうかを検討されると思います。
今回は住民票を抜くことについて解説したいと思います。
普段、税金のことについて深く考えたことのない方も、この機会に自分が国に収める税金について学んでみましょう。
税金についての知識は一生ものですよ!

住民票を抜く(海外転出)とは?

住民票を抜くとは、役所でいう海外転出のことを指します。
我々は日本に住んでいることを証明するために、自分の住んで居る市町村に住民票というものを登録しています。
住民票があることで自分が日本の住民であることを証明し、同時に国に税金を納める義務が発生します。
住民票を抜くと、納税の義務がなくなるというメリットがあり、役所では、1年以上海外に滞在する場合は住民票を抜くことをすすめられます。
この海外転出は代理人でも提出することができるので、忙しくて役所に行く時間がない方や、すでに海外に居られる方は家族に申請してもらいましょう。

住民票を抜くメリット

先に住民票を抜くことのメリットをまとめます。
住民票を抜くことで住民税、国民健康保険、国民年金の支払いの義務がなくなります。(各項目については下で詳しく見ていきます。)

例えば、年収300万円、新宿在住の会社員独身の方であれば、

国民健康保険料:175,500円
住民税    :143,800円
国民年金   :187,080円

合計387,500円
を年間を通して支払うことになります。
世界一周をしていて、収入がない方にとってはかなり痛い出費ですよね。
このように、節約という意味では、住民票を抜くことのメリットは大きいと言えます。

また、各制度について詳しくみていきます。

住民税とは

住民税とは自分の住んで居る市町村、県に納める税金のことです。
住民税は前年度の所得額に基ずいて今年度6月から翌年5月までの税金が計算されるため、今月住民票を抜いたからといって来月から支払いがなくなるわけではありません。
また、あなたが退社されている場合は、6月10日前後に納付書が発送され、年4回に分けて支払うことになります。
ちなみに、この住民税はその年の1月1日に住民票のあった市町村をベースに税率等が計算されるため、翌年の住民税を支払いたくない場合は12月31日までに住民票を抜く必要があります。

国民健康保険とは

僕たちは毎月国民健康保険料を支払うことで、病院でかかる費用の3割を支払えば済むようになっています。
健康保険は日本に住所を持つ場合にその市町村に支払う義務が生じますが、住民票を抜くと健康保険に加入することができなくなります。

また、健康保険料は住民税と同様に前年の所得額に応じて変わりますので、現在退職された方でも、前年度ベースの計算になります。

国民健康保険に加入し続けた場合

住民票を抜かず、健康保険に加入したまま世界一周を続けた場合、海外の病院で治療を受けた場合も、所定の書類を提出することで治療費の7割が戻ってきます。
ただし、この場合の治療費とは海外で実際に支払った額ではなく、日本で同等の治療を受けた場合にかかる治療費ことです。
つまり、海外の病院で50万円かかった治療が、日本では20万円の治療費で済む場合、返還されるのは20万円の7割である14万円ということになります。

国民健康保険に加入しない場合

普通海外へ旅行するときは別途保険会社で保険をかけるはずです。
治療費はそちらでカバーされますし、海外保険とは別に健康保険料を支払い続けるメリットは少ないです。
ですので、一般的には健康保険を外すほうがいいと思います。
また、帰国後に再度住民票を登録すれば健康保険も加入できますし、一度加入をやめたからといって次回加入しずらくなるということもありません。

国民年金とは

国民年金は住民税と違い全員毎月一律15,590円(2016年時点)の金額が課されます。

20歳から60歳の最長40年間の支払い期間があり、年金の受け取りは65歳からになります。また、年金をもらうためには最低25年以上年金を支払っている必要があり、25年以上支払っていても支払い期間が40年未満の場合支払い額に応じて返金される額が変わります。

住民票を抜いた場合「カラ期間」として扱われ、年金を支払わなかったとしても年金受給資格の期間として認められます。
年金を支払っていなかったとしても、帰国後2年以内の年金は遡って支払うことができます。

住民票を抜くことのデメリット

住民票が必要になるサービスを受けられなくなる。

住民票が必要なサービスといわれてもあまり思いつきませんが、契約が必要になる携帯だったり、引っ越しなんかはできなくなります。
海外にいるのであまり必要ないかもしれませんが。
なので、住民票を抜く場合は、契約関係の整理を全て終えてからにしましょう。

健康保険が使えなくなる

普段僕たちは国民健康保険に入っているため治療費の負担は3割ですんでいます。
住民票を抜くと全額負担になるので気をつけましょう。
こちらの意味もあり、住民票を抜くのはなるべく遅らせた方がいいです。

結局どっちがいいの!?

結局住民票を抜くか残すかについては、一般的には住民票を抜いたほうがメリットが大きいです!
では、どれだけメリットが大きい(金額が節約できるのか)についていくつか例を見てみます。
実際に自分の場合に当てはめて計算したい方は以下のサイトをご利用下さい。
住民税の計算
保険料の計算

1. 学生、独身、年収100万 → 住民票抜く必要なし

あなたが学生の場合、保険料は親の保険に加入している場合がほとんどだと思います。
また、税金も年収103万円未満の場合、住民税・所得税はかかりません。
学生の間は年金の納付猶予が認めらるため年金の納付もないので、住民票を抜くことのメリットはないでしょう。

2. サラリーマン、独身、年収300万 → 387,500円の節約

保険料:175,500円
住民税:143,800円
年金 :187,080円

3. サラリーマン夫婦、子供なし、合計年収600万 → 832,802円の節約

保険料:354,422円
住民税:291,300円
年金 :187,080円

まとめ

いかがでしたでしょうか。
結果を見れば住民票を抜いたほうがいいことが一目瞭然ですね。

冒頭で1年以上の海外滞在の方は住民票を抜いたほうがいいといいましたが、結果をみると別に一年以内だろうが、長期で旅行される方は住民票を抜いたほうがメリットが大きいことがわかりますね。

また、住民票を抜くことでわからないことはネットで調べるより役所にいって聞くのが確実ですので、面倒臭がらずに役所まで足を運びましょう。

それでは、良い旅を!